闇ノ花
「──!」
あっという間に真っ赤な鮮血が地面に垂れ、同時に生暖かい物が背中を伝った。
初めて斬られた痛みに、全身から力が抜け……やがて、苦無は手から滑り落ちる。
「チッ、外したか」
男は舌打ちをすると、再び刀を振り上げた。
今度は、腕でも足でもない、私の心臓を狙って突きの姿勢を取っている。
しかし、男が刀を振り下ろす寸前だった。
──浅葱色の羽織が、閉じようとした視界の端を駆け抜けたのは。
「こっちだ!囲め!」
「はいっ!」
ドタドタという地面を蹴る音の後、何人もの男達が、私達の周りをぐるりと囲む。