闇ノ花




「泣けばいいじゃない……こんなの、辛すぎるよ……」





そう言われて、堪えていた涙が溢れてくる。


忘れたかった……こんな想い。


だから、誰かと話をしたり、笑ったり。


そんな風にして、気を紛らわせようとした。


だけど……





「忘れるなんて、出来るのかな……っ」





ずっと好きでいるよりも、いっその事忘れてしまう方が楽だ。


だけど……。





「……忘れなくてもいいんじゃないかな?」


「え……」




< 395 / 522 >

この作品をシェア

pagetop