闇ノ花
「実は、斎藤を間者として、御陵衛士に潜り込ませておいたんだ」
「……」
……え⁉
驚いて、目を見開いた。
「お前に見張れと言っていたから、お前を間者にしても良かったんだがな。だが、伊東さんの元へ行かせるのは危険だと判断した」
「……はい、ありがたいです」
見張りまでならまだしも、いくら仕事とはいえ、間者になってまでついて行くのは嫌だ。
だけど今は、それよりも……!
「どういう事ですか?斎藤さんが間者って」
「あぁ。伊東さんが変な気を起こす前に、先回りをしておいたんだ」
「……先回り?」