闇ノ花
「昨日はとある暴走族グループの男を何人か処分しただけだよ。悪い?私は、一人前の忍になる為にやっているの」
「悪いも何も、それは巫女の……お前のやるべきことじゃないじゃろ!……それにわしが忍をどれだけ嫌っておるか、お前は充分に分かっておるはずじゃ!」
肩を上下させ、すっかり息を取り乱しているお爺ちゃん。
そりゃ……そうなのかもね。
女は大人しくしていればいい。
私は今は、ただの巫女。
だけどいずれはお爺ちゃんの跡を継ぐ。
「わしには分からん!何故そんなに、お前は忍になりたいんじゃ⁉」
「……」
「お前の両親は……忍に殺られたというのに……何故なんじゃ!」
「……だからこそだよ」
私は、袴の懐に隠し入れていた苦無を幾つか取り出す。