闇ノ花


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その日、庭に出て空を見上げると……大きくて綺麗な満月が、光を放っていた。


木に近寄り、その幹に触る。





「……はぁ…」





そして木に寄りかかり、そのまま地面に座り込んだ。


一月。


……一月の、満月。


私は……。





「小松、風邪引くだろ。部屋戻れ」





ふと、土方さんの声が聞こえて顔を上げる。


土方さんは、私の方に歩み寄ってきた。


部屋に戻った方がいいのは、当然だ。


だけど……。




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