闇ノ花
私の目から涙がこぼれ落ちた。
何でさよならって、はっきり言えなかった?
またいつか……会いたいっていう気持ちがあるから?
そんな気持ちを打ち払うように、戸惑うことなく、私は刀の柄の部分をぎゅっと掴んだ。
「芳乃……っ!」
名字ではなく、名前で。
……その山崎の声は、何だか久し振りに聞いたような気がした。
一粒の涙が、山崎の頬を伝っていた。
そして私の体は、光に包まれていった──。
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