闇ノ花


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今から何十年も前、小松千恵という一人の女がいた。



千恵は、生まれつき忍の腕に優れており……



“小松流”を完成させたのも、千恵であった。



小松流を使う千恵に、勝てる忍はどこにもいなかった。



……しかし、いくら強い忍といえど、千恵だって一人の女。



千恵は、とある一人の男に恋をした。



一方で、男も千恵に恋をした。



二人の想いは深まっていく。



しかし……それは、叶わぬ恋だった。



──何故なら、男は敵の忍であったからだ。




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