闇ノ花




「だけど……お前も小松家もいきなり消えた。

お前を探しても探しても見付からなくて……そのうち、過去に俺の親がやった事も、みんななくなった事になっていたんだ。

あの事件を覚えていたのは、山崎家の中では俺だけだった……」





そうだったんだ……。


小さく頷き続けながら、次の山崎の言葉を待つ。





「お前がこの時代に来た日、森でお前と戦って小松流だと気付いた時、時空移動なんて信じられなかったが……俺は嬉しかったんだ。

……やっと、見付けられて」


「うん……」


「──好きだ」





嘘……


一気に、目頭が熱くなっていく。


そして、今までにないくらい、泣きじゃくった。





「うっ、うぁぁ……!山崎……っ」


「……何で泣いて…」




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