闇ノ花




何だっけ……何かの時代劇でも、かなりキツそうだった。


それに、私に剣術は必要ない。


だから断ろうとしたのだけれど……。





「忍術も完璧、その上剣術も完璧にしたら無敵になっちゃうと思いますよ」





沖田さんはそう言って、またあの時みたいに、一人で笑い出した。


いや、ほんと何なんだろう、この人。


本当に笑いのツボが分からない。





「……あっ」





そんな事を考えていると、私の懐から何かが落ちた。


小さな紙袋。


その中から、細かい金平糖が何粒かころころと転がる。



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