闇ノ花




「……ははは、参りました」





沖田さんは両手を上げて、私を見た。





「完敗です」





そして起き上がると、刀に絡み付いた鎖を取り、鞘に収めた。


終わった……。


私も、鎖や苦無をしまう。





「久し振りに、いい試合が出来ました」





沖田さんはそう言って、私に向かって微笑んだ。





「芳乃さん、今度剣術を教えます」


「え?」





ありがたい話なんだろうけど。


現代にいる時、沖田さんの稽古はかなりキツイって聞いた事がある。



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