【短編】……っぽい。
それでも、またしても会議は明日の朝いちなため、今夜中に仕上げなくてはならず、田原さんの言った通り、課長も残っているフロアで、あたしはカタカタとキーボードを叩く。
内心は、田原さんに言われたことが気になって気になって仕方がなく、今すぐにでも帰ってしまいたい気分なのだけれど、今度は課長も出る会議ときたもので、出来上がったら課長にお見せしなければならないのである。
と。
「大崎さん、クリスマスの予定なんですが」
案の定、と言うべきか、あたしのそばに来た課長はそう言い、パソコンの画面に反射して映る顔を、にこにことほころばせる。
けれどあたしは、いろいろと気ばかりが焦っていて、かなりおかしくなっていたのだろう。
「課長、うるさいです」
「ごめんなさい……」
「はうっ!!」
とんでもない爆弾を落としてしまった。
そういえば、もうすぐクリスマスだなー、と、とりあえず関係のないことを考えてみる。
けれど、現実逃避はそう長くも続かず、地面に頭がめり込むくらいに、精魂込めて謝るしかない、と腹をくくり、鬼の形相で憤怒しているであろう課長に、おそるおそる振り向く。