【短編】……っぽい。
 
お局さまにガミガミと嫌みを言われているところに偶然課長が通りかかったので、それを気にかけてくださっていることとお見受けする。
 
しかしながら、部署のお局さまは、女子社員なら誰にでも嫌みを言うような人なため、特にあたしは落ち込んだりはしない。

それにちょうど、資料が見にくいし、整理をしたいと思っていたところのことだったので、意外と楽しみながら残業をしていたのだ。


「大崎さん、その資料の整理、手伝います」


すると、あたしの背後からにょっきりと顔を出した課長が、なぜか平社員の仕事である資料の整理を手伝うと言い出しから、さあ大変。

今日も同僚の香椎君が課長に雷を落とされたばかりで、しかもその内容が、仕事が立て込んでいて、課長と一緒に行くはずだったお得意さま回りを、さあ行こう、という段階になってドタキャンしたい、とのことで、資料の整理なんか課長にはさせられません、とお断りしたいあたしの心境と、微妙にかぶるのである。

ああ、どうしよう……。

課長の手は煩わせられないし、かといって断るのも、香椎君の二の舞になりそうで、そこまでの腹は、なかなかくくれない。

と、そんなことを延々と考えていると。
 
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