【短編】……っぽい。
実際に声に出てしまった心の声をスルーしてくれたことに感謝しつつ、指示してください、とまで言われたら断れないため、簡単なようで実はかなり重要な日付の並べ替えをお願いする。
すると課長は、あたしの隣の席に座り、資料に書かれている日付を順に整理しはじめた。
「ところで大崎さんは、恋愛をする気はありますか? 確か26歳でしたよね? そうなると、もうけっこう後がない感じですよね」
「……れ、恋愛ですか? そうですね、今のところ、うーんって感じですかね。今は恋愛より仕事を頑張りたかったりするので。心境的には」
「そうですか……」
「はい?」
「いえ、なんでもないです」
また世間話にあたしの恋愛の話を選んだよ、この人は……と、空気が読めない課長に心でツッコミを入れつつ、やはり答えないとまずい気がして、正直にお答えして差し上げる。
すると、若干、残念そうな口振りで課長は相づちを打ってくるため、あたしは、当然のことながら、ん? と首をかしげてしまった。
もしかして、あたしにお見合いの話を持ってきてくださった、とかですか? 課長。
だとしたら、嬉しくないです。
……とっても。