後輩レンアイ。
1章

出会いは廊下で




───清華side



今日も、朝がくる。

中里清華。
桜坂学園三年。
親はいない。

だから、妹二人、弟二人、赤ちゃんを1人、1人で養ってる。

お金?

そんなの、全く問題ない。
むしろ、余裕がある。
だって、あたしの通う学園は、お嬢様学園と呼ばれるヤツで。

あ、だからって、親の遺産が莫大なものとかじゃない。

この学園には、奨学金で入った。

家も繁華街も近かったし。

どうやってお金を調達してるか?
そんなの、決まってる。

体売ってんのよ。

繁華街で、金持ちそうなのを見つけては声をかけ、お金をもらう。
学園でも、それは変わらない。

どうせ男なんて、欲望の固まりなんだから。

学園内は、金持ちであふれてるから楽。
誘われたら、乗ればいい。

そうして、お金をもらうんだ。

ちなみに、一回20万。
当然でしょ?

あたしは、顔も声も最高らしいから。

身だしなみを整え、学校に出かける。

奨学金で入ったのもあるけど、基本的には頭。
あたし、頭いいの。

自分で言うのも変だけどね。
学年ではいつもトップだし。
東大に余裕で受かるって言われた。

でも、学園や学園の清らかなお嬢様どもは、あたしを嫌ってる。

そりゃあそうだよね。

このお綺麗で汚れのない桜坂学園の、唯一の汚点なんだから。

だからあたしは、女子からは

『学園の汚れ』

男子からは

『性欲処理場』

と、呼ばれている。

別に気にしてないし、気にしようとも思わない。
分かって欲しいとも思わないしね。
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