後輩レンアイ。

「……アンタも、疲れる性格だね。」

急に先輩が、ボソッと言った。
…それは、どういう意味なのか。

「どういう、ことっすか?」
「周りに縛られて、暗示かけられて。

自分を作って偽って、気付けばがんじからめになって、そこから抜け出せない。

結局息が詰まるほど苦しくなって、もがけばもがくほど身動きがとれなくなっていく。

まるで蜘蛛の巣に捕らわれたかのように…」

いつも凛としている瞳をゆらし、先輩はそう言った。

「だからこそ…       、、、、
あたし達が境遇はちがってもそういうところは似てるから…

だから、変に感じるのかもね。」
「先輩と俺が、似てる…?」

どういうことなんだろう。
似てるってコトはつまり、先輩もなにかに縛られて身動きがとれないってコトで…



もしかしたら先輩は、俺と同じ息苦しさを感じてるのかもしれない。


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