後輩レンアイ。

「でも結局、金がなければ生きていけない。
そうできてるのよ、この世界は。
いつの時代もそう。」
ソレがこの世の摂理みたいなもんだしね。

「…このまま、バックれよーよ。
お見合い。
どうせ政略結婚でしょ?
アンタの気持ちなんて、必要ないんでしょ?
だったらきっと、アンタじゃなくてもいいんだよ。
他の誰かでも務まる事なんて、他の誰かに任せておけばいい。
ほら、行こ?」

どうせアンタも、飽き飽きしてるんでしょ?

「でもそんなこと…」
志堂龍太は何かを言い掛けて、俯いた。
ふと見ると、拳に力が入っている。

きっと今志堂龍太はすぐにでも足を動かしたいはず。
でも足を動かせない『縛り』がある。
どうしてわかるのか。

それは、志堂龍太とあたしが似ているから。

…まあ、似ているようで似ていないのが現実だけど。
そして、その『縛り』は、自分で抜け出せないとてもやっかいなものだ。

それを他人のあたしがほどく。
結構、いい仕事じゃないか。
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