さかのぼりクリスマス
◆Last X’mas
Last.
「ナーナ!ただいまぁ~」
仕事終わり。家のドアをあけたら、鍋をかき回している、ナナの後ろ姿があった。
鼻にすべりこんでくる、あたたかな香り。おれがリクエストしておいた、シチューだ。
もう、マジしあわせ。仕事の疲れと寒いの、ふっとんだ。
「おかえり~」
振り返ったナナが言った。ニコッと笑った顔と、エプロン姿がとてつもなくかわいくて、ギュウウーっと抱きしめたくなる。
実際に抱きしめようとしたら、火使ってるから危ないってあしらわれた。しょぼくれてスーツを脱ぐことにする。
リビングにもたちこめている、しあわせの香り。
ナナの作るシチューは、ものすごくおれ好みだ。
濃厚だけど牛乳の風味は残ってて、そんでトッピングに、パリッパリに揚げたチキンの皮がのっかってるのがもう最強。
クリスマスに、ナナのパリッ皮シチュー。んで、手作りケーキ。ワインの赤と白。最高。これ以上望んだらバチあたる。
…去年は、こんな風に過ごせるなんて、想像もできなかった。
上着なんかなくても、ホカホカにあたたかい部屋の中。そんなことを、しみじみと思う。
クリスマス間近に元カノとモメて、別れて、部屋で一人酒飲んでたんだっけ。去年のおれ。
あの時はなかなか荒れた生活送ってて、なんとか仕事だけは行ってるレベルの底辺で。
「ナーナ!ただいまぁ~」
仕事終わり。家のドアをあけたら、鍋をかき回している、ナナの後ろ姿があった。
鼻にすべりこんでくる、あたたかな香り。おれがリクエストしておいた、シチューだ。
もう、マジしあわせ。仕事の疲れと寒いの、ふっとんだ。
「おかえり~」
振り返ったナナが言った。ニコッと笑った顔と、エプロン姿がとてつもなくかわいくて、ギュウウーっと抱きしめたくなる。
実際に抱きしめようとしたら、火使ってるから危ないってあしらわれた。しょぼくれてスーツを脱ぐことにする。
リビングにもたちこめている、しあわせの香り。
ナナの作るシチューは、ものすごくおれ好みだ。
濃厚だけど牛乳の風味は残ってて、そんでトッピングに、パリッパリに揚げたチキンの皮がのっかってるのがもう最強。
クリスマスに、ナナのパリッ皮シチュー。んで、手作りケーキ。ワインの赤と白。最高。これ以上望んだらバチあたる。
…去年は、こんな風に過ごせるなんて、想像もできなかった。
上着なんかなくても、ホカホカにあたたかい部屋の中。そんなことを、しみじみと思う。
クリスマス間近に元カノとモメて、別れて、部屋で一人酒飲んでたんだっけ。去年のおれ。
あの時はなかなか荒れた生活送ってて、なんとか仕事だけは行ってるレベルの底辺で。