Street Ball
祝勝会
「かんぱぁーい。」


試合終了後、縦縞の入ったベースボールキャップを斜めに被った男が、出場料代わりの賭け金と配当金を手渡してくれた。


その時になってやっと思い出したのは、ギャラリーだけが金を賭けている訳ではないという事だった。


[HEAT]も一人一万、計三万円を出場料代わりに賭けている。


帰ってきた三万円と、配当金は十四万円。


三万はそれぞれの財布に帰り、俺はその一万を富さんに借りていたバッシュ代として払った。


試合終了後の興奮は中々冷めず、四人でコンビニへ向かい、アルコールやスナックを買ったまでは良かったんだ…。


「いや、乾杯じゃなくてさ、何で俺の家なんだよ。」


「コンビニから近かったからだろ?」


さも当然のように言い放ったのは、銀色のアルミ缶を手にしている鉄だった。
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