Street Ball
自分の持ち得ない所に、人は強く惹かれてしまうのだろうか。


それはただの、無い物ねだりなのかな…。


次の店と言われても、今と同じだけの量は呑めない。


呑んだとしても、理性を抑えている自信が無かった。


そんな俺の気持ちを知ってか知らずか、碧は急かすように足を絡み付かせてくる。


決して太くはなく、すっと伸びた肉厚的な足は、俺の理性がどこまで耐えるのか測っているようだった。


誘ったのは自分だからと、支払いを譲らない碧に根負けし、渋々ながら納得した。


濃厚な茶色の扉は、薄暗い店内から見ると黒以外には見えない。


扉を開いて通路に出ると、近すぎる白熱灯の光が眩しく感じる。


低い天井から視線を落とすと、一瞬だけ足下が二重に映った。


自分で思っている以上に、身体はアルコールを吸収しているらしい。


よろめきそうになった所に、碧の腕が絡まってくる。
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