Street Ball
自らのミスを責めるように、失点を取り返そうと焦った和志の放ったシュートはリングに嫌われ、零れ球を泰二が拾った。


攻守を切り替える為、3Pラインの外に居た俺へボールが届く。


さっきの二の舞にはならないと、長髪がディフェンスの距離を詰めてくる。


そのプレッシャーに、前にも左右にも動けず、少ない残り時間に気持ちだけが逸る。


「夏目。」


ゴール下から戻ってきた泰二が、声をかけながら俺の背後に回った。


長髪にクルリと背を向け、泰二にボールを手渡す。


そのまま俺が壁になり、3Pラインから1メートルも離れた場所から、泰二が3Pシュートを放った。


綺麗な弧を描くボールは、初めから決まっていたかのように、鎖のネットを揺らした。


その驚く程正確なシュート力に、味方ながら鳥肌が立つ。


31対30。


残り時間は二分少々。
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