Street Ball
練習を終えた二人を見送り、俺は碧のマンションへ向かった。


夕暮れ近くとあって、頬を撫でる風も幾分涼しく感じる。


明日の前祝いに飯でも食いに行こうと誘われたが、用事が有ると言って断った。


決勝に向けて気合いの漲っている鉄を見ると、心が痛んだ。


明日の決勝が終わったら、二人に全てを話そう。


これ以上チームを組んでいられないと言われたら、それはそれで仕方ない。


仕方ないなんて言葉で済まそうとは思ってないけど、俺には謝罪以外の言葉が見つからない。


インターホンを押しても反応はなく、ドアの前で碧が帰ってくるのを待つ。


時間が経つに連れ、オフィスビルや一戸建ての窓から、蛍光灯の光が漏れ始めた。


それから少し遅れて、マンションの廊下や街灯が点き始める。


近隣の住民から穿った目で見られても、俺には此処で碧の帰りを待つ他はない。


決勝前に、どうしても碧と話しを付けておきたかった。
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