一生もんの道化師
しかし、高藤さんの弁論はまだ終わっていなかった。


「そういう白石さんの姿にいつも、すごく勇気づけられて、心癒されてるんだ、俺」


不意打ちに、再び胸の鼓動が高まった。


「どんなに苦しくても、どんなにしんどくても、たとえこの世を去る一秒前だったとしても、白石さんみたいな人が側に居てくれればきっと、おもしろおかしく笑っていられると思うんだよね」



………やだ。


何だか私、泣いてしまいそうなんですけど。


まさかこんな言葉をもらえるなんて、思ってもみなかったから。


ある意味これは、愛の告白よりも、価値がある事かもしれない。


花の乙女として、長年残念なクリスマスを過ごして来た私への、サンタさんからの粋なプレゼントだったりするのかしら。


思えば幼稚園のお遊戯でやらかした時も、会場が爆笑の渦に包まれて、それにより(私以外)みんな緊張が一気にほぐれ、最後まで楽しく演じられたみたいなんだよね。

あれはあれで結果オーライだったという事だ。


私は紛れもない、天性の女優であった。


ただし、コメディ専門の、だけどね……。


でも、良いんだそれで。
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