一生もんの道化師
「鉄庫の中の備品取ろうとして他の物まで引きずり出しちゃって床にぶちまけたり、デスクの下に書類落としてそれを拾ったあとそのまま立ち上がろうとして肩を強打してたり」

「うっ。よ、良くご存知で…」


外に出る事の多い高藤さんがそういう場面に遭遇するという事は、それだけ私がコンスタントにドジを踏んでるという事だ。


「うん。何だか白石さんのこと、すごく気になっちゃうんだよね」



………え?


「次に何をしでかすんだろうって、ハラハラドキドキしちゃって。子どもの頃、ビクビクしながらも何度もお化け屋敷に入っちゃった心理と似てるかな」


思わず姿勢を正してしまった私はその言葉にガクっと脱力した。


何だ。

一瞬色っぽい意味で見られているのかと思いきや、単なる肝試し的好奇心だったのね。


「だけど白石さん、てんやわんやしながらも、決して周囲への気遣いは忘れないんだよね。ハプニングによってイレギュラーな仕事が増えてしまったり、痛い思いをしたりしてるのに、周りの人に心配をさせないよう、笑顔でそれを乗り切っている」
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