聖夜に降る奇跡


次第に和らいでいく僕の心。


数ヵ月前の失恋の痛みは既に消えかけていた。

ずっと、さりげない言葉と写真で、僕を気遣ってくれていた彼女。

僕は自分のことばかりで、彼女を気遣う余裕もなく、また、それを忘れていた自分に気付く。

彼女は、僕へ気を配るだけではなく、リアルな生活では、社会人として、妻として、母として……
一人で何役もこなしている。

独身の僕でも、その大変さは容易に想像できる。

だから、僕は労いの言葉をかけた。

“いつも、仕事に家事、子育てと、いろいろ大変だと思うけど無理をしないでね”

すると、

“仕事も家事も子育ても、大変じゃないと言えば嘘になる。
でも、毎日が充実して楽しい”

そう返ってきた。

彼女の言葉はいつも前向きで、
自分も頑張らなければ、負けられない…と、僕にまで力を与えてくれる。

きっと彼女にかかれば、苦すら、苦ではなくなるのだろう。
そんな気さえする。

僕はいつでも、何かある度に元気をもらっていた。







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