そしてまた、キミに。
3年前…
それはまだ俺が中学1年生だった頃。
同じクラスだった優のことは苗字を知っているくらいで、話したことすらなかった。
だけどある出来事をきっかけに、俺の中の''坂口さん''は一瞬にしてその存在を大きく変えた。
3年前の夏のある日。
たまたま帰り道で見かけた優が、
物欲しそうに眺める小さな女の子に
そのストラップをあげる姿を見た時。
その子の目線に合わせてしゃがみ、
微笑んだ姿を見た時。
…初めての感覚だった。
胸の奥に突き刺さるような、
心を揺さぶられるような感情。
俺は、彼女に一瞬で恋に落ちた。