復讐
すると更に嫌な予感が的中した。

「そっちはどうだったか?」
山の方から下りてくる兵の群れに尋ねると「女子供、皆殺しました!」と
報告が上がった。


!!!
お、お母さん・・・


「おお、大儀であった。馬鹿な連中だ。謀反などするからこうなるのだ。」
そして引き返そうとした時だった。
一人の兵が「あ!あれはなんだ!」と声を上げた。

一人の兵が駆け寄ってくる。まずい・・・・

すると「ここに一人生き残りがいました!陛下!」と言って私の二の腕を掴み無理やり立たせた。

「なんだと?」皇帝が一瞥したが「さっさと殺せ。」と言ってきた。
「は、はい!」と兵は剣を振りかざしたその時だった。

「なんだ、さっさとやらないのか。」と皇帝が不審に思い、兵に尋ねた。
私も殺されると思い、覚悟を決めた時だった。
「はい、陛下。恐れながらこの者はたいそう美しく非常に殺すのはもったいないかと・・・。」
「何!?」

皇帝の乗った馬が近づいてきた。私は、皇帝を睨み付けた。
皇帝は、「ほう・・・」と下品ににやつくと「あぁ、確かに美しい。これほど美しい女は
宮廷内でも見たことがない。余の后にしよう。そいつも連れて参れ。」と兵に命令した。

兵は大きな声で返事をすると「おい、付いて来い!」と言って更に二の腕をきつく掴み引っ張った。
「痛っ!!」私は引きずられるかたちで皇帝の後を追った。



許さない、絶対に・・・。

大切な人達を奪ったこの男を・・・・・・私は絶対許さない。

復讐してやる!!!
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