White X'mas
どうしたの? ジョイ。
そんな悲しそうな声を出すなんて、何かあったの?
答えてくれたら、どんなにいいだろう?
見えないことをもどかしく感じつつ、私は意を決して口を開いた。
「あの…すみません」
ジョイに何か声をかけ、座り込んでいたらしい男の人はハッとしたように言った。
「あ!ごめんなさい、急に触ったりして」
「いえ、それは……いいんですけど」
不安を紛らすように、ぎゅっとジョイのハーネスを握る。
「このコ、どんな様子ですか?」
「え?」
「ケガしてるとか、近くに何か…嫌がりそうな物があるとか」
「そんな感じには見えないですけど」
男の人の声に不思議そうな響きを感じて、私は言い訳のように言った。
「ごめんなさい。変なこと聞いて……でも、初めてなんです、こんなこと。だから、このコに何かあったのかと……」
このハーネスを見て、ジョイが盲導犬だというのはわかっているのかもしれないけれど。
今のこの不安は、おそらく見える人には伝わらないだろう。