White X'mas

「きゃっ」
「大丈夫ですか?」

声を上げるとすぐに優しそうな男の人の声がして、前方から吹き付けていた冷たい風が遮られた。

「ええ」

答えて、私は考えを巡らせる。


ジョイは何に反応したのだろう?

ここのお店の前に段差はないはず。

………何かが倒れている?


「このコが急に止まって……」

不安に苛まれながら言った途端に、

「クゥーン」

ジョイが鳴いた。

「…!……ジョイ?!」

盲導犬として、厳しく躾られてきたジョイ。

ハーネスをつけていないOFFの状態ならともかく、”仕事中”に声を出すなんて…

私は激しく動揺し、視力のほとんど無い眼球を閉じた目蓋の中でぐるぐると動かす。


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