夕焼けの彼方
「…ちょっといい加減にしてくださいよ。…イラスト!」
「(えーっと、"と"がつく食べ物は…)とんかつ!
…おっ?この人、『桃花中創立記念日!校舎の前でお弁当食べよう祭』に入れてる!マイナーだな」
「……」
アタシは竹刀を構えた。
「…冗談だって。分かったから、その危ないものしまってね」
「チッ!」
羽矢先輩いわく"危ないもの"をアタシはしぶしぶしまった。
…てか、校舎の前でお弁当食べよう祭って…どんだけネーミングセンスないんだよ。
「つーかさ、」と羽矢先輩。
「もうしりとり飽きたんだけど?」
…だからなんなんだよ。
「そーですね」
「なんか新しい遊びしない?」
「しません」
「…ケチ。そんなんだから、彼氏できねーんだよ」
そんなの〇係ねぇ〜♪
そんなの〇係ねぇ〜♪
関係な〇から〜関係な〇から〜♪
心の中で二つの"関係ないソング"が流れた。
「(アタシはなんであなたに彼女ができないのかが、ようやく分かりましたよ……)」
聞こえないように言ったつもりだったが、
「ん?なんか言ったか?」
聞こえていたようだ。