夕焼けの彼方

とりあえず無視しよう、うん。



そう思ったかと思うと、先輩はいきなりクルッとドアの方に振り返った。


そして……






「お母さぁーん。綺華がとうとう反抗期を迎えたよー(棒読み)」






…えーっと、言いたいことは色々とあるがとりあえず。

この人は決してマザコンなんかではない。
何も知らない人がこのセリフを聞いたら、間違いなく誤解するだろう。
いいか?ただ単にボケてるだけだからな。

先輩の名誉の為に一応、言っておく。…こんな人に名誉も何もないと思うが……。



「先輩。いくら叫んでも誰も来ませんよ…。みんなあなたとは違って、
・・・・
真面目に仕事してるんですから」


皮肉にも"真面目に"という部分を音量MAXで言ってやった。
つーか、お母さんって誰よ?

「お母さぁーん。綺華がいじめるよー(棒読み)」
「いい加減静かにしてくださいよ…」

「ホント、静かにしてほしいわね」

「ほらー。先輩のせいで怒られちゃったじゃないスかー。…すみません、今すぐ黙らせ………って…」









え?
………誰???
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