夕焼けの彼方

「うおぉりゃあぁぁぁ!!!」

ハシュン! パシッ!




「…お前、何してんの?こんなもの振り回したら、危ないでしょ?」


先輩の右手の中にはアタシの振り上げたもの
―竹刀―がきっちりと納まっている。

「アタシはあなたの頭の中の方が、危ないと思いますけどね。確実に入る速さだったんですけど。
どこでそんな高度な技、覚えたんですか?」


握っていた竹刀を解放させた先輩は
「我流だ」
と答えると、特盛な欠伸をひとつした。
その行動にまたイラッとして、竹刀を振り上げそうになったが……時間の無駄だな…。

というわけでまた再び書類に目を戻…って、
さっきから何回目だよこの文。
いい加減にしよーぜ?
これじゃあ、まるでアタシが、全然集中力がないおバカさんみたいなカンジに思われちゃうじゃん。
最初のイメージ台なしじゃん。



それもこれも…

「ふわぁ…あ」


すべてコイツのせいだ。
しかもまた欠伸している。一体なんなの!?
この男、マジで出ていってほしいんですけど!





実際に、今出ていかれると非常に困るのだが。
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