最低男との結婚
「カナさんの家出たって事は
先輩、今どこ住んでるんですか?」


「この近く」


「一人っスか?」


「んなわけねぇだろ。
ほら、たこ焼
持って帰れ」


「え?いいんですか?」


「あぁ、もう閉めるし
余っても どうしようもねぇしな」


「閉めるって・・・
もう!?
まだ6時っスよ?」


「あぁ、あいつと
帰る約束してっから」


「・・・あいつ?って?」


大輔の指摘で

店の奥を覗き込み

私の姿が目に入ると


「す、すいません・・・
知らなくて・・・」


赤髪の派手な髪が印象的な男性が
私に向かって謝っている。


謝られても

どうリアクションしていいか分からず

苦笑いをするしかない私を見ながら

大輔は、


「仕事の客 相手するより、
こいつの相手する方がいいしな」


そう笑って赤髪の人に言っているけれど・・・


何だか、ものすごくうれしい事言われてる気が・・・


ヤバい、顔がニヤけてしまう。
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