最低男との結婚
「・・・別れんの?」


再び私の顔を見上げ
じっと私の目を見ている。


「別れたくない・・・」


「でも出て行くんだろ?」


「・・・・」


「別れないけど、出て行くって
俺には、優奈がどうしたいのか
さっぱり分かんねぇんだけど?」



私だって・・・分かんないよ・・


でも・・・・、



「どうしたいわけでもなくて・・・
ただ、っただ・・・
今は、逃げ出したい・・・」



「・・・そか。
どうしたら戻る気になる?」



「え・・・・?」



「出て行って、戻ってくる気になるには
どうしたらいい?」



・・そんな言葉が

大輔から出てくるとは思わず

唖然としてしまっていると同時に

自惚れてしまいそうになっている自分がいる。




「戻って・・・?」


「あぁ、優奈が
この家に戻る気になるのは
どうなった時だ?」


「それは・・・・・」


「何?」


「不安がなくなった時・・・」


「なるほどな・・・って事は
今の俺との生活は
不安だらけって事か・・」


「そういうんじゃ・・・」


否定したいのに、否定できない
弱い自分・・・

卑怯な自分・・・


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