最低男との結婚
けれど、当たり前だけど

料理の味なんて

まったくしないわけで・・・


一口、二口食べただけの
お母さんと彼氏は


「ちょっと、出てくるから」


その言葉のみで
出かけて行き、

取り残された
私と大輔は

沈黙のまま食事をしている。


何がどうなって

こんな事になってしまってるのか

全然分からないけれど・・・


目の前にいるのは

まぎれもなく

大輔であり・・・



「もしかして・・・
お母さんに呼ばれたの?」



「あぁ・・・」



母親の勘というやつで
私が悩んでる原因が
大輔だという事に気づいたらしいお母さんは

こういうセッティングを
いつの間にか実行に移してのか。



恐るべき、母親・・・。



「一応、断ったんだけどな・・・」


「え・・・?」


「昨夜、振られたばっかだしな。
あー・・・そうだ・・・
ほら、離婚届け・・」


そう言いながら
テーブルの上に出された
離婚届に

呆然としてしまう私がいる。


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