最低男との結婚
「ゆーな?もう引越しのトラック来てるわよ~?
全部、運んでいいの?」


日曜日の早朝、
1階から、お母さんが
大声で叫んでいる。


「玄関に置いてあるやつ全部ー
あとは、持てるから大丈夫」


ドタバタすぎて

この部屋の中もぐちゃぐちゃだけど・・


片付ける暇もなく

慌てて下へ降りると

玄関に積み重ねてあったダンボールは
全部、トラックに積み込まれていて


「終わったか?」


大輔が、外の方から
顔を出した。


「あ、うん
終わった・・・」



「トラックの奴らに
鍵も渡して任せてあるから
ゆっくりしても大丈夫だぞ?」



「うん、でも・・・
また、あっちで片づけがあるし
大丈夫」



「そか、じゃあ
行くか」


「うん・・・」


「優奈、ちゃんと言う事聞きなさいよ?」


「お母さんってば・・・」


「落ち着いたら、電話しなさい」


「分かってる」


「気をつけてね」


「うん、また学校帰りとか来るし」


離れて暮らすけど
平日は、こっちまで通学するわけだし・・

とは分かってても、

少しだけ寂しくて泣きそうになってしまうのは

親離れができてないのかもしれないけど・・・





< 77 / 275 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop