【短】《ヴァンパイア番外編》 いつでもどこでも危険です
「葵――――…」


優しく、でもどこか切なさも含んだ声音で名前を呼ばれ、月模の顔が私の首筋に埋められた。


「んっ!や…ぁ……っ」


首筋から一気に広がる快楽の渦に、自分のものとは思えない声が出てしまった。


吸血鬼に血を吸われた人間は、皆似たような事を言うらしい。


『プロのエステティシャンに隅々までマッサージされている様だった』とか、『頭が真っ白になって力が抜けた』とか。


私の体にも、今正にその現象が起こっている。


「あ……っ、月模……!ヤダ………」


も…う…私本当に気ぃ失っちゃうよぉ………
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