冷徹ドクターに甘やかされてます



「は…?それってもしかして、」



「その紙貸せ!」



「え?あっ、おい!」



その予想に俺は、そいつの手から紙を奪っては白衣を脱ぎ捨てその場を駆け出す。




「ちょっと春田!?」



「悪い!すぐ戻る!!」



(何やろうとしてるんだよ、あいつはっ…)

自ら進んでそういう仕事をしようとするタイプじゃないのは分かってる

触れただけですぐ赤くなるような子供で





『先生ー!』





好きだ好きだと一途に想うような奴だ

けど、そんな陸がそれを選ばなければならないほどの何かがあったのだろう





『灯のこと治してよね!!』





(っ…あのバカ!!)



急げ

急げ、俺の足

駆け足になりがちなその体を、引きとめられるように。







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