冷徹ドクターに甘やかされてます



「あ…あと最後にひとつ」



「?」



先にお皿の上をからにした先生に、私はごはんを食べ続けながらまた問う。



「どうしていつも髪結ってるの?邪魔なら切れば?」



「……」



今はおろされているその後ろ髪。すごく長いわけではないけれど、男の人にしては少し伸びっぱなしになってしまっている毛先に彼はカップの中のコーヒーを飲みながらこちらを見た



「何でって、お前覚えてないわけ」



「?」



「これ、何だ」



そしてそのポケットから取り出された車のキーにつけられているのは、どこか見覚えのある赤いハートの飾りがついたヘアゴム



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