冷徹ドクターに甘やかされてます

「そもそもその合併話を持ってきたのは向こうでしょう？春田総合病院、の名で合併でいいから医師と患者の面倒を見てほしいと」



「…あぁ」



「聞けば河上医院は急激に病院を大きくさせたことで医師の数が追いついておらず、過酷な労働をしいられている医師が多いそうじゃないですか。おまけに看護師も患者を雑に扱う始末…そんな所と一緒に仕事をする気にはなれません」



「……」



(…そうだったんだ…)

春田先生は結婚する気はないって言い方しかしてなかったけど、病院のこともちゃんと考えて断ってたんだ。

けれど、そんな春田先生の言葉にも院長先生は厳しい目のまま



「…最もらしいことを述べるのは結構だが、本当にそれだけか？」



「と、言いますと？」



「聞く所によると、若い清掃員と親しいらしいな」



「…！」



私の、こと…

そこまで分かり切っている様子の眼差しに、春田先生の表情は見えないけれどきっとその表情も変わらず落ち着いたままなのだと思う。