冷徹ドクターに甘やかされてます
「咳してるうちに、苦しみだしてっ…発作が…」
「脈拍測って。呼吸器と投与する薬用意…まずは処置室もしくは個室へ移す」
「はい!」
状態を確認しては手早く指示を出す春田先生に、従う看護師さんたち。そんな中私はそこから離れまいと灯の手を握る
「陸、お前は少し下がってろ」
「やだ…灯から離れたくないっ…」
「早く処置をしなければ手遅れになる。どけ」
「けどっ…」
どかなければ邪魔になる
そんなことはわかりきっているのに
怖い
この小さな手を離したら
もう、戻らなくなりそうで