冷徹ドクターに甘やかされてます
「灯!灯っ…」
みるみるうちに増す咳と、激しい呼吸
苦しそうな、つらい顔
(発作なんてここしばらく出てなかったのにっ…)
よぎるのは、断ち切れない『死』の言葉
「しっかりして灯っ…灯!!」
「ぼ…僕先生呼んでくる!!」
そう駆け出した空斗くんに私もナースコールを押すもののそれ以外は一歩も動くことが出来ず、ただ灯の小さな肩をひたすら抱きしめる。
(どうしよう、どうしようっ…)
怖い
灯が、灯がっ…
「どうした!?」
「春田先生っ…」
そうしていると、病室へと駆け込んで来たのは空斗くんに呼ばれて来た春田先生