愛するお方がサンタとなりました


「よし、次だ」


「事務的なのねー」


「効率的にやんなきゃ日が明けちまうだろ。……あー、さぶっ」


鼻をすすったあなたが、ワタクシの体を後ろからぎゅっとしてくれたのは無意識よね。だってワタクシも無意識に、あなたの手を握ってしまったもの。


「寒いか」


「あなたがいれば寒くないわ」


「嘘こけ。冷たいだろ」


ったくと、サンタの帽子をワタクシに被せ、あろうことか上着まで脱ぐあなた。着ていろと背中に羽織らせる。


「少しは温か……って、何で脱ぐ!?」


「だってー、あなたの着ていたものは直接肌から感じたいんだもの。ああ、あなたの温もりの残滓がああぁっ」


「気色悪いことすんな、上から着ろ!」

怒られちゃった、でも至福。


「あなたが傍にいるだけで、どんな事も幸せに思えるわーっ」


藍色の世界の空中飛行という神秘的場面も、あなたがいなければ素敵だなんて思わない。


人類の夢――幼き頃の夢を実現しているのに、ワタクシの頭はあなたで占めている。


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