センチメンタル・シュガー
「!?澪!?何泣いて…」
「だって、びっくりして…大和今までそんなこと一言も言わないし…」
「…そりゃそうだろ。いざという時に一度言うだけで精一杯だよ」
「私ばっかり好きだと思ってて、大和は私なんてどうでもいいって思ってたから…」
「…そんなわけあるかよ」
そんな私の涙を着ぐるみの指先で拭っては、大和はぎゅっと私の体を抱きしめる。
「澪のことが、好きだよ。出会った頃からずっと、今も変わらず」
「大和…」
「信じられないなら、何度でも言う。…俺と結婚して下さい」
「……」
いつもは気持ちなんて言葉にすることはない、照れ屋な彼
同じ言葉を繰り返すのだって、嫌いなはず
だけど、今日だけは特別
耳まで真っ赤にした顔で、素直な甘い言葉を囁いた
「…はいっ…」
それに精一杯応えるように大きく頷いた私に、大和は抱きしめてキスをした。
もう不安にならないように
薬指に未来を誓おう
時々すれ違って
その度互いの愛を知って
そして、きっと
来年のクリスマスには、白いドレスとタキシードのふたりがいるのを夢見て
end.


