センチメンタル・シュガー



「…大和…これ、」



「…これ買うのに、少しでも足しになればと思って、バイトしてた」



「……」



「…今日、ごめん。本当は今日一日休みとって、ちゃんとした所で渡したかったけどいきなりバイト頼まれて」





かぶったままのトナカイの頭

きっとそれは、彼なりの照れ隠し





「最近も、澪のこと不満にさせてばっかりだっかもしれない。…けど仕事頑張って、それなりの立場と収入がないと澪の親にも挨拶行けないだろ」



「…?それって…」



「…結婚、しようってこと」



「……」



突然の、プロポーズ



薄暗い公園で、目の前にはトナカイの彼

そんな状況でこんなことが起こるなんて、誰が予想しただろう



「…、」



そっと脱がせたトナカイの頭の下には、耳まで真っ赤になったあなたの顔があることも

全部、全部、予想なんて出来なくて



驚きとともに嬉しさを伝えるように、大粒の涙がこぼれだす。


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