俺の蕾ちゃん

繰り返す動作に暑くなったのか上着を脱いでシャツのボタンも2つ外して また椅子に登って片付けている。

今までは玉置の後ろ姿を見ていたが、玉置が向きを変えて、棚越しに向きあった。

ドキッとした。

隙間越しに見える玉置がやけに近く感じたんだ。

俺が座っていて、まさか隙間から玉置を見ているなんて気づいてないからハラハラした。

長い髪をシュシュが緩くまとめて、動くたびに緩く取れそうで取れない。

かがめば外されたシャツの影に谷間が見えるが見えない。

スカートも短いために、だが見えない微妙な感じだ。

なんだよ、全部 中途半端じゃん…

カタッカタッっと、奥の方から音がする。

玉置を見ると振り返って気にしている。

「 伊佐木くん?」

おっと、マズイ…

「 なに?ちゃんとやってるよ 」

「 あ、違うの。なんか音がするから、伊佐木くんかと思って… 」

ああ、あの音か… 怖いのか?

「 風じゃないの?」

「 ん… そうだね 」

あ、俺…

「 玉置、ちょっとトイレ行ってくるから すぐ戻る 」

うん、と玉置の返事を聞いてトイレに行った。

戻って来ると、玉置がいない。

あれ、いない… 棚の奥へ歩いて行こうとすると、横からグイッと腕を引っ張られた。
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