クリスマス・イブは金曜日




ガッツリ夕飯を食ってから、ファミレスを出る。

俺と愛川は翌日が休みにも関わらず、居酒屋とかの二軒目に流れる事は無く、また一夜の過ちを犯す事も無かった。

俺からとしてはそんな事も不純交遊に入らないけど、愛川に想いが無ければ悲しいだけだから。



さっきは一人でずっと待っていた駅前広場に、二人で来る。

この街が元から不夜城だからか、今日がクリスマスイブだからか、はたまた明日が休みだからか、数分前に日付が変わったにも関わらず、駅前広場はまだまだ人でいっぱいだった。

俺と愛川は帰りの電車が違うから、この駅前広場でお別れだ。



「今日はお疲れ様。遅延に巻き込まれて、大変だったな」

「横浜君こそお疲れ様。遅延とはいえ、一時間も遅れちゃってごめんね。寒かったでしょうに」



遅延に巻き込まれた愛川を待ったのも、それが寒かった事も愛川の所為じゃないのに、それを気にしてくれる愛川の優しさが沁みる。

この優しさも、好きなんだ。




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