夏色の約束。~きみと生きた日々~


だけど、本当に怖かったんだ。


君がいなくなることが、君の笑顔が見えなくなることが。


その恐怖や不安は、君の大きな愛や優しさに触れるたびにどんどん大きくなっていって、なつの心を平気で蝕んでいく。


「俺……」


なつを抱きしめているあおちゃんの腕に、ぎゅっと力がこもった。


「俺、死なないよ?」

「……っ、く……」

「なっちゃんが俺を好きでいてくれる限り、絶対死なない。というか、死ねないよ」


あおちゃんは少しだけ笑みを零す。


「こんなに俺のことを想ってくれる人なんて、きっとなっちゃんしかいないもん。それに、俺がこんなにも愛しいと思うのも、なっちゃんだけ」

「……っ」

「そんな大切な人を残して、死ぬわけにはいかないでしょ。ね?」


あおちゃんのくれた言葉が、なつの心をスゥーっと満たしてくれる。


嬉しいのか悲しいのか、涙がまた溢れた。


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