夏色の約束。~きみと生きた日々~


「なつは、あおちゃんと一生一緒にいるって決めたの。だからあおちゃんは、心配しなくていいよ。なつが他の誰かを好きになることなんて、絶対有り得ないから」


……ねぇ、いつも泣いてばかりで、頼りにならないなつだけどね、これだけは胸を張って言えるよ。


この決意は、誰がなんて言おうと揺るがない。


なつが恋をするのは、この先もずっとずっと、あおちゃんだけだもん。


「ははっ……。本当、なっちゃんにはいつも助けられてばかりだね。俺は、幸せ者だぁ……。こんなにも俺を想ってくれる人がいて」


顔を上げれば、この島の海のように優しく笑っているあおちゃん。


まだ肌寒い冬の風が、あおちゃんとなつの髪をふわっと揺らした。


“幸せ者”


この言葉を言うのは、なつの方だよ。


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