夏色の約束。~きみと生きた日々~


………でもね、それとは比べものにならないくらい、心が苦しいよ。


苦しくて苦しくて、止まったはずの涙がまた溢れてくる。


きっとなつの心が、痛いよって、つらいよって、悲鳴をあげてるんだね。


なつは、ふとあおちゃんの出会った日のことを思い出した。


あの波の音が、あの景色が。


なつの脳裏に、鮮やかによみがえる。


───あの日、ふたりで聞いた波の音は、きっとなつの恋の始まりの合図。


なつだけの、恋の音。


そしてその恋の音は、今、こうしてバッドエンドを迎えた。


< 67 / 306 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop