夏色の約束。~きみと生きた日々~


ねぇ、あおちゃん。


………どうして?


今までなつにくれてたたくさんの優しさは、友達としてのものだった?


あの優しい笑顔も、あおちゃんが何度も言ってくれた“大好き”も。


全部全部、友達のなつに向けられたものだったの?


なつに向けられる視線が他の子よりもすごく優しかったのは、なつの気のせいだったのかな。


ずっと、なつはひとりで勘違いをしてたのかな。


「………好き」


本当に、大好き。


あおちゃんが、あおちゃんだけが。


なつは、大好きなのに。


………なんでだろうね。


君からの“好き”を思い出すたびに、なつの胸が音をたててズキズキと痛むんだよ。


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